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内向的な性格で生きづらさを感じる。
その最大の理由は、学校や社会が外向的な人を理想とし、外向的な人を基準とした物差しで能力を評価するからです。
集団的に理想の人格だとみなされている外向型の人物に対する魅力は、評定者の向性の特性を問わず圧倒的に強いことが分かっている
そんな社会で暮らす内向的な人ほど『社会から求められていないのではないか?』という不安や生きづらさを感じてしまいますよね。
ではなぜ外向型を理想とする社会になったのか?
それを知ることで、内向的な人が生きづらさを感じる根本的な原因。
そして、生きづらさを解消するためのヒントが見えてきます。
そこでこの記事では以下の内容をお伝えしていきます。
[su_box title="この記事の内容" box_color="#FAE232" title_color="#ffffff" radius="5"]
内向的な人が生きづらい理由
内向的な人の生きづらさを解消する方法
内向的な人に適した生き方[/su_box]
内向的な人が生きづらい3つの理由
心理学的には『自分の内側に意識が向く人』のことを内向的=内向型
『自分の外側に意識が向く人』のことを外向的=外向型と分類します。
そのため両者には、以下のような特徴があるとされている。
そして今の社会の中では、外向型の特徴ばかりが評価されやすい。
なぜなら以下の3つの理由があるからです。
[su_box title="外向的な人の特徴が評価されやすい3つの理由" box_color="#FAE232" title_color="#ffffff" radius="5"]
- 人と関わることが重視される社会
- 競争が激しい社会
- 外向性を重視される教育[/su_box]
この3つの原因を理解すると、内向型が抱える生きづらさを解消するヒントが見えてきます。
そこで1つずつ解説していきますね。
人と関わることが重視される社会
そもそも内向型と外向型の最も大きな違いは『刺激に対する感度』です。
刺激に対する感度は『DRD4(ドーパミン受容体)』と呼ばれる遺伝子の長さによって変わる。
内向型はDRD4遺伝子が短く、刺激の許容量が少ないため、刺激に敏感(抑える)
外向型はDRD4遺伝子が長く、刺激の許容量が大きいため、刺激に鈍感(求める)
そのため内向型は外部からの強い刺激を抑えるために、自分の内面に関心が向きやすく、消極的で1人を好む特徴がある。
逆に外向型は刺激を求めるため、自分の外界に関心が向いやすく、積極的で社交的な特徴があります。
そして以下のように、今の社会は『コミュ力』『積極性』『協調性』など、外向型の特徴ばかりが求められ評価されています。
なぜなら、産業構造が変わり『第3次産業』が占める割合が非常に多くなってきたからです。
昭和までは1人や家族などの少数で行う、農業や水産の『第1次産業』。
また製造や加工の『第2次産業』が仕事の多くを占めてしました。
しかし平成以降、流通・小売・娯楽・サービス業などの『第3次産業』が仕事の7割以上を占めるようになりました。
その結果、多くの人と関わりながら仕事を広げる『商人気質』な人を求めるほうになったんですね。
逆に、真面目に1つのことに1人でコツコツ取り組める『職人気質』な人は求められなくなってしまいました。
だからこそ、消極的で1人を好む内向型の特徴が評価されづらくなり、生きづらさを感じるようになりました。
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競争が激しい社会
日本はバブル崩壊後、競争社会に突入したと言われています。
そして刺激に敏感な内向型ほど、競争中で感じる『責任感』や『プレッシャー』が過度な刺激となりはパフォーマンスが低下します。
さらに過度な刺激環境に長く身を置くことで、極度に内気になったり、うつ病などの健康リスクが高まることがわかっている。
逆に刺激を求める外向型は『競争心』や『自己成長』などの付加価値を見出し、競争から生まれる刺激を心地よく感じてモチベーションが上がります。
このように内向型ほど競争社会を苦手に感じやすいため、今の社会に生きづらさを感じる人が多い。
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外向性を重視する教育
外向型を理想とする社会の中では、学校教育においても外向性を重視した教育を行なっている。
その結果、人と関わることに対して消極的だったり、積極的に発言するのが苦手な生徒は問題視されやすい。
そして幼い頃から、このような教育を受けて育つと『外向的になれない自分はおかしい』と自信を持てなくなってしまいます。
実際メルボン大学の研究では、96%の人が外向的な性格に価値を感じ、そのうち53%の人が外向的な性格になりたいと感じているそう。
だからこそ内向型は、自分の性格に価値を感じられず、自己を否定することが多くなってしまいます。
内向性被験者は、外向性被験者に比べて、自己を否定的に評価している。
その結果、幼い頃から生きづらさを感じる内向型は多くいます。
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内向的な人の生きづらさを1ヶ月で解消する4ステップ
このようにバブル崩壊後、社会が変わっていったことで、外向型を理想とする社会の傾向が強くなりました。
その結果、社会は外向的に振る舞うことを期待し要求します。
だからこそ、内向型は社会の中にいると生きづらいんですよね。
そして、内向型が無理に自分を装って外向型を演じていると、メンタルや免疫系に大きなダメージを受けてしまいます。
そのため、内向的な人の生きづらさを解消するには、内向的な自分の性格を受け入れ、自分らしくいられる環境を手に入れることです。
では、内向的な自分を受け入れ、自分らしくいられる環境を手にするにはどうすればいいのか?
そのための方法が以下の4ステップです。
[su_box title="生きづらさを解消する4ステップ" box_color="#FAE232" title_color="#ffffff" radius="5"]
- 自分の気質を理解する
- 自分の価値観を理解する
- 自分の好きなことを理解する
- 自分の得意なことを理解する[/su_box]
1つずつ解説していきます。
自分の気質を理解する
自分を受け入れたり、自分らしくいられる環境を手にするために、もっとも重要となるのが『自分の気質』を理解するということです。
なぜなら自己理解をしない限り、自己受容ができず、自分を否定したまま生きてしまうからです。
また、自分の気質を理解しないままでは、自分の本当の価値観が見えてきません。
人間は人生のうちで以下の4つの性格を身につけると言われています。
このうち『気質』や『人格』は、生涯を通して変わらないもの。
『習慣的性格』や『役割的性格』は、生涯を通して変わるものと言われています。
そのため、自分の気質や人格に根ざした性格を発展させることが、本来の姿だと言えます。
逆に自分の気質や人格に背いた性格を身につけてしまうと、適合せずに自己嫌悪や自己否定に陥り、苦しんでしまう。
しかし学校や社会の中では外向型が求められているため、無意識に外向的な性格を身につけてしまっている内向型は多い。
その結果、自分の表面的な価値観に踊らされてしまいます。
『表面的価値観』とは、教育・メディア・社会生活などの外部の影響によって身につけた価値観のことです。
反対に、気質や人格などの自分の変わらない部分から生まれた価値観を『根源的価値観』と呼びます。
根源的価値観こそが自分の本当の価値観であり、この価値観を理解することが自己受容や自分らしく生きるためには欠かせません。
以下の記事では『自分の気質を診断するテスト』をご用意しています。
ぜひ1度、試してみてくださいね。
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自分の価値観を理解する
ではなぜ、自分らしく生きるためには価値観を理解することが欠かせないのか?
それは人間は自分の『価値観・信念』に従った『能力・行動・環境』を身につけていくからです。
社会や学校では外向型を求めるため、多くの人が『外向型を理想とする価値観』を身につけています。
その結果『コミュ力』『積極性』『協調性』を身につけようとし、外向的に振る舞おうとして苦しんでしまいます。
だからこそ根源的価値観を理解し、自分の気質に適した能力・行動・環境を身につけていくことが大切です。
自分の好きなことを理解する
ではなぜ人間は、自分の価値観・信念に従った能力・行動・環境を身につけるのか?
それは、人間は自分が価値を感じることに従って生きているからです。
価値を感じるからこそ『好奇心』を抱き『好き』になっていく。
そして『好きなこと』だから取り組み、無意識に『能力』を身につけていきます。
その結果、身についた『才能』を磨いたり、活かせる環境に身を置くようになり、これが『得意なこと』です。
だからこそ価値観の次に理解が欠かせないのが、この『好きなこと』になります。
自分の得意なことを理解する
自分の価値観に従った『好きなこと』『得意なこと』を理解することで『自分の強み』を理解できます。
そして自分の強みを活かすことで1ヶ月後には『自尊心』や『自己効力感』が高まり、自己肯定感が育っていきます。
だからこそ『好きなこと』の次に理解が欠かせないのが、この『得意なこと』になります。
以上の4ステップによって『自己受容』や『自分らしくいられる環境』を身につけることができるようになります。
その結果、生きづらさが解消されていくわけですね。
以下の記事では20の質問に答えて、自分の『価値観』『好きなこと』『得意なこと』を理解するためのワークをご用意しています。
生きづらさを解消させたい方は、ぜひ1度試してみてくださいね。
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内向的な人に適した3つの生き方
そして最後に、内向型が『自分らしく生きられる環境』についてお伝えします。
それは、自分の『心』に従って生きられる環境です。
なぜなら、内向型は自分の『心』に従っている状態が最もメンタルやパフォーマンスが安定するからです。
今の社会は外向型を理想とするため『環境に対する適応』ばかりが求められます。
しかし内向型は、環境へ適応するのに時間がかかるため、あまり向いていません。
その結果、なかなか適応できない自分を否定し、心の声に耳を傾けなくなって、余計にメンタルやパフォーマンスを低下させます。
だからこそ、社会の環境に自分を合わせるのではなく、自分の『心の声』=『根源的価値観』に環境を合わせていくことが大切です。
では内向型の『根源的価値観』に適した環境とは?
それが以下の3つです。
[su_box title="内向型に適した3つの生き方" box_color="#FAE232" title_color="#ffffff" radius="5"]
- 人間関係は深く狭く
- 仕事は組織より単独
- 作業はマルチタスクよりシングルタスク [/su_box]
1つずつ解説していきます。
人間関係は狭く深く
外向型を理想とする社会では、多くの人と関わっていくことが理想とされます。
しかし内向型は、多くの人と関わることで幸福度が下がり、少人数の人と狭く深く繋がることで幸福度が高まることがわかっている。
なぜなら『刺激に敏感』という特徴があるからです。
その結果、内向型は外部からの刺激に弱く、人と関わることがストレスに結びつきやすい。
- 内向的な人は、他者との相互作用がストレスへと結びつきやすい
- 内向的な人は、すぐに過度な覚醒に陥りやすいため、刺激の多い経験にさらされることを避け、覚醒水準を低下させるために他者との相互作用を避けようとする傾向がある。
- 引用:外向―内向性がソーシャル・サポート過程と精神的健康に及ぼす効果
そのため、1〜3人程度の人と狭く深い親密な関係を築いていくことが、内向型にとって適した環境になります。
仕事は組織よりも単独
また刺激に敏感な内向型は、組織の中で人と関わりながら進める仕事よりも、単独で進める仕事の方がパフォーマンスが高くなる。
そのため、在宅でできる仕事や、パテーションで区切られた環境。
またはメールでのやり取りや、パソコンだけで完結できる仕事が、内向型にとって適した仕事環境になります。
作業はマルチタスクよりシングルタスク
さらに内向型は『複雑な作業』よりも『単純作業』の方が疲れづらく向いている。
そのため複雑な作業は小さなステップに分解し、1つ1つのタスクの刺激を抑えてあげることが大切です。
さらに効果的なのは、1つのタスクが終わるまで次のタスクのことを考えないこと。
内向型は徹底的にシングルタスクにすることで、実は40%も効率が高まることがわかっています。
このように、なるべく刺激を抑えて『少ない刺激』の中で生きる環境こそ、内向型が無理せず自分らしくいられる環境になります。
以下の記事では、内向型の強みから逆算した『向いてる仕事』について紹介していますので、興味があればぜひ1度見てみてくださいね!
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